軽めの2冊|『怖い村の話』『魔女とほうきと黒い猫』感想

怖い村の話/都市ボーイズ/宝島SUGOI文庫
犬鳴村や巨頭オなどの都市伝説や、実際に起きた連続殺人事件などを題材に、実際の体験談“風”に書かれた小説。
一話あたり数ページと短く、内容はややチープであまり怖さもないのだが、収録話数が多く飽きずに読めた。
合間に挟まる都市ボーイズのミニコラムが一番楽しめたかも。彼らの動画は見たことがないので、そのうち見てみたいと思う。


魔女とほうきと黒い猫/菊地章太/角川ソフィア文庫
魔女のイメージがどう我々に定着していったのかを読み解く、というあらすじに惹かれて購入したが、内容は終始ヨーロッパの文学や魔女狩りなどの史実を紹介するにとどまり、やや物足りなさを感じた。
魔女を題材とした邦画の公開時期に合わせて刊行されたようで、日本の文学の紹介も多く、魔女の歴史という話からは少し脱線していたかなと思う。
序盤のホレおばさんやバーバ・ヤーガの話、第2章を丸ごと使った妖精の話は正直なところ冗長に感じ、話の着地点も弱い印象だった。
紹介される地域や題材も限定的で偏りがあり、例えば時代や地域ごとの魔女像との比較、ヨーロッパ以外の国に魔女がどう定着していったのかなど、もう少し話の広がりが欲しかったかな。
挿絵は実際の絵画が使われており、これは楽しめた。魔女は箒の穂先を先にしてまたがっていたなど知らなかった話もあって、魔女を題材にした作品や雑学をざっと知る入門書としては悪くない一冊。

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